皆さん、風邪の予防のためにどんなことをしたらいいか、ご存知ですか?

・手洗いうがい
・栄養と睡眠を充分とる
・マスクをする
・汚れた手で顔を触らない 等々…

きっと誰でも1つや2つは挙げられると思います。

私たちは、小さな頃から家庭や学校での教育、新聞やテレビ等を通して、健康を維持するための情報をたくさん目にしています。

ですので、「外から帰ってきたら手洗い、うがいすることで風邪は予防することができる」とか「風邪を引いたら、消化の良い栄養のあるものを食べ、温かくして、できるだけ身体を休める」などの知識を持っています。

健康状態が常に良好であることに越したことはないですが、時に不安定になるということもよく知っています。
そして、仮に具合が悪くなっても、知識のお陰で比較的適切な行動をとることが可能です。

さて、お子さんがいらっしゃる方はよくご存じだと思うのですが、生まれたばかりの赤ちゃんが1歳半までに必ずと言っていいほどかかる病気として「突発性発疹」というものがあります。

この病気は、免疫のない赤ちゃんが人込みなどでウイルスに感染すると発症するものです。

しかし、多くの場合、一度かかったら再び発症することはなく、感染力も低いため「かからないように防ぐ」というよりも「どの赤ちゃんも1度はかかるもの」と通過儀礼的に捉えられています。

赤ちゃんにとっては人生初の発熱になるケースもあり、あらかじめ両親学級などでこの病気についてのお話があったり、赤ちゃんのお世話や健康管理に関する小冊子に説明が載っていたりします。

このため、親は赤ちゃんが突発性発疹にかかったからといって、「赤ちゃんのお世話の仕方がまずかった」と自分を責めたり、「お前の健康管理が甘いからだ」とパートナーを責めたりすることはありません。

このように事前に身につけた知識によって、起きたトラブルにうまく対処することができるのです。

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ところが、多くの人が結婚するにもかかわらず(そして結婚生活で問題を抱えるにもかかわらず)、「結婚生活では何か起きるのか」、「どのようにすれば良い関係性が維持できるのか」、「不具合が生じた時にどうすれば適切な行動なのか」といった情報は周知されていません。

そして、トラブルが起きてはじめて、自分たちの関係について悲観的になったり、自分の言い方や行動がまずかったと自分を責めたり、「お前がまずいからだ」とパートナーを責めたりしてしまいます。

もしも、あらかじめ夫婦関係に関する知識を持っていれば、先の突発性発疹のように自分や相手を責めずに冷静に対処することができます。

何よりも、家庭というフィールドで、人と人とがどのように意見交換し、協力し、共に過ごしていくかを子どもたちに触れさせることができたなら、それは何よりのギフトになります。

なぜならば、子どもたちは親のやり取りを見て、「どのようにすれば幸せな結婚生活を送ることができるのか」、「不具合が起きたときにどのように対処するのか」のお手本をたくさん見て育つからです。